経済産業省は11日、原発の高レベル放射性廃棄物の最終処分について、国の方針を説明する自治体向け説明会をさいたま市内で開き、高レベル放射性廃棄物を、金属などで特殊加工した上で、深さ300m以上の地層に埋設することを説明し、最終処分地の選定方法を提示しました。
最終処分場(=地層処分)は、放射性廃棄物をガラスと混ぜて固め、厚い金属製容器や粘土の緩衝材で覆い、地下深く(300m以上)埋めるものですが、これまでは日本学術会議が2年がかりで検討した結果、地震や火山活動が活発な日本列島で、万年単位で安定した地層を見つけるのは難しいとされていました。
埋設候補地から火山や活断層の周辺などを外すのは当たり前ですが、輸送時の安全性を考えて港湾から約20キロを目安に適正地域を今年中の提示を目指す、というのはあまりにも安易な見通しで、数万年間安定している候補地が本当に見つかるとはとても思えません。
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放射性廃棄物の最終処分地 選定方法を国が提示 さいたまで説明会
埼玉新聞 2016年5月12日
経済産業省は11日、原発の高レベル放射性廃棄物の最終処分について、国の方針を説明する自治体向け説明会をさいたま市内で開いた。
説明会には県やさいたま、熊谷、白岡市など28自治体の職員が出席。経産省の担当者は、高レベル放射性廃棄物を、金属などで特殊加工した上で、深さ300メートル以上の地層に埋設することを説明し、最終処分地の選定方法を提示した。
埋設候補地と想定する科学的有望地は、火山や活動する可能性のある活断層の周辺などは適正の低い地域として外し、輸送時の安全性を考えて港湾から約20キロを目安に適正地域を見つける方針。
質疑応答で出席者から「年内に地域を公表するのは急いでいるのでは」「まだ放射線に対する不安のある市民がいる」「もっと多くの人に情報発信を」などの意見が挙がった。
経産省の担当者は「処分地の選定は慎重に進める」「国民の理解が得られるように説明会などを行っていきたい」と答えた。
最終処分を巡る関係閣僚会議は昨年12月、「今後の方針」について、適正がある科学的有望地を選定し、今年中の提示を目指すとしている。
経産省は「集まった意見を集約し、国民の関心、理解が高まるよう情報の提供をしていきたい」と話している。
説明会は福島県を除く全都道府県で5~6月に行う。