市町単位の「地元同意」が「不要」という回答はゼロで、「その他」と答えた首長も多くが国と県、関係市町の協議の必要性を訴えました。
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5首長「再稼働、市町同意必要」 浜岡原発31キロ圏アンケート
静岡新聞 2016年5月13日
中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)が政府の要請で全炉停止してから14日で丸5年になるのに合わせ、浜岡原発から半径31キロ圏11市町の首長を対象に静岡新聞社が実施したアンケート調査で、5人の首長が再稼働の是非について県の判断と別に市町単位の「地元同意」が必要と回答した。川勝平太知事が全県民対象の住民投票の必要性を訴えていることに加え、今回調査で31キロ圏の首長が「地元同意」に強い権利者意識を示したことで、浜岡原発再稼働のハードルの高さが浮き彫りになった。
政府は新規制基準の適合審査に合格した原発を順次、再稼働させる方針だが、「地元同意」の方法や範囲などは不明確なまま。掛川市の松井三郎市長は地元の範囲を31キロ圏11市町とした上で、「非同意の市町が一つでもあれば、再稼働できない」と答えた。
緊急防護措置区域(UPZ)の7市町は、地元4市に準じる内容で、中電と新たな安全協定締結を目指している。市町単位の「地元同意」が「不要」という回答はゼロで、「その他」と答えた首長も多くが国と県、関係市町の協議の必要性を訴えた。
アンケートは原発重大事故時の広域避難計画についても尋ね、各首長から実効性確保へ数多くの課題が挙がった。複合災害時の避難経路確保や、要配慮者らのバス手配などは、複数の首長が市町版計画策定で苦慮していると回答した。
昨年度末にまとまった県計画は最悪の場合、31キロ圏の合計約94万人が基本的に自家用車で関東甲信や北陸まで避難する。菊川市の太田順一市長は「避難に要する費用を避難者が負担することは理解しがたい」と指摘し、国と県に対し「避難費用の補てん制度を明確にしてほしい」と求めた。