東京新聞 2016年5月21日
栃木市の道の駅「にしかた」で販売された山菜のコシアブラや、宇都宮市で小学校の給食に使われたタケノコから、国の基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)を超える放射性物質が検出された問題で、県は二十日、県内の直売所や市場に対し、山菜などの出荷者に産地確認を徹底するよう求める再発防止策を発表した。
県林業振興課によると、今回の問題の背景には、国からの出荷制限や、制限区域外でも県のモニタリング調査で基準値を下回らないと出荷できない品目がある点などが、十分に周知されていない現状があった。
このため県は、山菜やタケノコを道の駅などに卸す人が記入する「チェックリスト」を作成。出荷前に必ず、氏名や出荷品目、収穫した市町を明記し、直売所に提出してもらうことで、出荷制限区域で採れた山菜などの流通を未然に防ぐ。
県内の出荷者の情報をまとめたリストや、直売所と県、市町でつくる緊急連絡網の作成も進める。
林業振興課の担当者は「これまでも直売所を対象に年二回、産地表示や安全管理の徹底を求める巡回指導をしてきたが、それでもこうした事態が起きた。出荷者と直売所の両方に個別指導できる体制を目指す」と説明した。 (大野暢子)