2016年5月19日木曜日

玄海「免震棟」を撤回 県内関係者、九電に不信感 +

 九電は玄海原発でも緊急対策所を免震構造にしないことを決めました。
 耐震構造と免震構造では建物が地震に耐える点では同じですが、地震時の居住性が全く違います。
 緊急対策所を休憩所として使う場合でも、あるいは事務作業、会合、備品の保管のために使う場合でも、免震構造であれば地震襲来下でもそれなりに作業を継続することができますが、耐震構造の場合には、その都度作業の中断が生じ、床上に落下した物品等の後片付けが必要となるなど、作業が非効率になります。九電がコストを優先して敢えて不便な方式を採用したことは明らかです。
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玄海「免震棟」撤回 県内関係者、九電に不信感
「安全性高い施設を」説明要求
佐賀新聞 2016年05月18日
 玄海原発の重大事故時に現場の対応拠点となる施設「緊急時対策所」を巡り、九州電力は計画していた「免震棟」から「耐震」施設へ方針転換した。川内原発(鹿児島県)に続く計画変更。佐賀県内の関係者からは「技術的な話で判断できない」としつつも、丁寧な説明を求める声が上がった。
 
 「県としては免震、耐震ということではなく、必要な安全性が確保されたものが建設されるということが重要」。九電側の説明を受けた後、記者団から計画変更の評価を問われた佐賀県の副島良彦副知事はこう答え、規制委の審査を注視する考えを強調した。
 川内、玄海と相次ぐ計画変更で九電への信頼感が揺らいでいることを暗ににじませながら「この説明があったからといって、企業として信頼性が急速に高まったということではない」とくぎを刺し、九電にこれまで以上の説明責任の全うを求めた。
 立地自治体の東松浦郡玄海町には、玄海原発の今村博信所長が訪問。公務で上京中の岸本英雄町長に代わって対応した鬼木茂信副町長は、九電の説明に理解を示しながらも、「計画変更は住民に不安と不信感を与える」と苦言も。岸本町長は取材に「われわれとしてはより安全な方にしてほしいという思いだけ」と述べ、「個人的には耐震の方が安全と感じるので異論はない」と理解を示した。
 隣接する唐津市、伊万里市は「技術的な専門性を持った問題であり、国の審査の推移を見守りたい」とコメント。唐津市の岡本憲幸副市長は「市民の安全安心が高まる施設であってほしい」と注文する。
 
 一方、反原発の市民団体「玄海原発プルサーマルと全基を止める裁判の会」の石丸初美代表は「東日本大震災、そして熊本地震で一体何を学んだのかと問いたい」と憤りを隠さない。「想定外の災害はどこででも起こりうる。これで安全というものがないということが分かっていない」と断じた上で、「県や関係自治体への説明で済む話ではない。県内全世帯を1軒ずつ訪ねて説明してと言いたい」と話し、近く九電に抗議する考えを示した。


+免震棟撤回で九電に抗議文 共産党県委員会
佐賀新聞 2016年05月19日
 九州電力が玄海原発(東松浦郡玄海町)の重大事故時の緊急時対策所を「免震重要棟」から「耐震構造」の施設に計画変更したことを受け、共産党佐賀県委員会(今田真人委員長)は18日、抗議文を九電に提出した。
 抗議文では「福島原発事故で立証されている免震重要棟の役割を認知しながら、耐震棟のほうが安全性が優れているなどと主張する九電の姿勢は、県民を欺く態度であり看過できない」と批判している。
 共産党の武藤明美県議は、九電佐賀支社へ瓜生道明社長宛の抗議文書を提出し、「無責任。経済効率や会社の都合で住民の命や安全を引き換えていいのか」と語った。