2016年5月26日木曜日

原発事故避難、遺族再び勝訴 東電に計3000万円賠償命令 東京地裁

時事通信 2016年5月25日
 東京電力福島第1原発事故で避難中に死亡した双葉病院(福島県大熊町)の入院患者と系列の介護施設入所者の遺族が、東電に計6600万円の損害賠償を求めた2件の訴訟の判決で、東京地裁(水野有子裁判長)は25日、計約3000万円の支払いを命じた。
 入院患者ら50人以上が死亡したとされる双葉病院の遺族が東電に賠償を求めた訴訟の判決は3、4件目。水野裁判長は、4月に同地裁で別の裁判長が言い渡した2件の判決と同様、死亡慰謝料を1人につき2000万円と認定。その上で、持病などによる影響を認めて2~3割を減額した。
 遺族側弁護団は「施設入所者は入院患者よりも元気だったはずなのに、判決は慰謝料を一律としており残念だ」と話した。
 判決によると、男性入院患者=当時(97)=と女性入所者=同(86)=は、双葉病院を含む原発の半径10キロ圏内への避難指示が出てから2日後の2011年3月14日、自衛隊に救出されたが、バスで8~10時間、約230キロの移動を強いられ、15日ごろ死亡した。
 東京電力ホールディングスの話 判決内容を確認した上で、真摯(しんし)に対応する。