日本原子力研究開発機構は31日、「もんじゅ」など全国にある79の原子力施設について、今後約70年かけて段階的に廃止する工程案をまとめました。
実に長期間であり、建設費同様に、運用と廃止には当然莫大な費用が掛かりますが、小泉元首相が指摘したとおり、これらの費用は原発のコストには入っていません。
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原子力機構、79施設を70年かけて廃止 工程案を作成
日経新聞 2018年8月31日
日本原子力研究開発機構は31日、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県)など全国にある79の原子力施設について、今後約70年かけて段階的に廃止する工程案をまとめた。関連施設の多くで老朽化が進んでおり、同機構は長期間に及ぶ廃止作業を効率的に進めたい考えだ。
対象となる79施設には、もんじゅの前身にあたる高速増殖炉実験炉「常陽」(茨城県)や、原子力発電所の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す東海再処理施設(同)を含む。
再稼働を目指す常陽や、6月に再稼働した原子炉安全性研究炉(NSRR、同)など研究でこれから利用する施設についても、初稼働から60年程度を目安に廃止することを想定した。
工程は大きく3段階に分けた。第1段階の約10年は老朽化した施設の安全対策を優先する。その後の約20年で研究炉など主な施設の廃止が本格化。次の約40年で施設の解体や廃棄物の埋設処分などを完了させる。
原子力機構全体の累積でドラム缶約70万本の放射性廃棄物が発生すると見積もった。
今回の工程案には廃止に必要な費用の試算を盛り込んでいない。関係する自治体などの意見も踏まえて年末までに正式な工程表を作り、費用の試算も示すという。