2018年9月5日水曜日

福島原発作業員を労災に認定

 厚労省は福島原発事故後に放射線量の測定作業などに従事し、肺がんで死亡した50代男性を労災認定しました。これで僅かに5例目です。
 因みに肺がんに関する労災認定の基準は
 ▽被ばく線量が100ミリシーベルト以上
 ▽被ばくから5年以上経過して発症
というもので、極力 労災認定を避けようとしていることは明らかです。国やそれに協力する医師グループの冷酷さが改めて分かります。
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肺がん死の作業員労災認定 死亡事案では初
毎日新聞 2018年9月4日
 厚生労働省は4日、東京電力福島第1原発事故後に放射線量の測定作業などに従事し、肺がんで死亡した50代男性について労災認定したと発表した。第1原発事故後の被ばくを巡る労災認定は5例目で、死亡事案で認めたのは初めて。 
 
 認定は8月31日付。厚労省によると、男性は1980年6月~2015年9月のうち約28年3カ月、第1原発を中心に全国の原発で作業に従事し、累積の被ばく線量は約195ミリシーベルトだった。このうち11年3月の事故後の被ばく線量は、同年12月までが約34ミリシーベルトで、15年9月には約74ミリシーベルトに達した。主に第1原発の構内外で放射線を測定し、作業中は防護服や全面マスクを着用していたという。 
 
 男性は16年2月に肺がんを発症した。厚労省は遺族の意向として、死亡時期などを明らかにしていない。 
 肺がんに関する原発労働者の労災認定の基準は▽被ばく線量が100ミリシーベルト以上被ばくから5年以上経過して発症--など。放射線医学の専門家らで作る厚労省の検討会の意見を踏まえ、認定した。 
 東京電力ホールディングス広報室は「引き続き、発電所の安全確保、労働環境の改善に努めたい」としている。【神足俊輔】