2018年9月19日水曜日

苫東厚真発電所の耐震設計は最低の「震度5相当」

 北海道胆振地方地震では震度7苫東厚真火力発電所を襲いました。
 しんぶん赤旗によると、全国の火力発電所の耐震基準は、2000年に「震度5以上」と定められていて、苫東厚真火力では4号機だけがそれに該当するということです。
 
 原発についても、かつて原子力安全委員を務めたことのある武田邦彦教授によると「震度5が限度である」として、福島原発が事故を起こした際に東北地方の太平洋側の原発を巡回したとき、全てで損傷していたことを確認したと述べています。
 
 震度と加速度の関係については気象庁がホームページで次のように解説しています。
 (震度は波形が関係するため、ガルとの一意的な関係は残念ながら出せないようです。詳細は下記に直接アクセスして確認してください)
地震動の強さを表すものの1つに震度があります。以前は震度観測は体感で行われていましたが、現在は器械により観測され、計測震度と呼ばれます。計測震度は加速度波形から計算されます。
 計測震度の計算には、加速度の大きさの他にも、揺れの周期や継続時間が考慮されますので、最大加速度が大きい場所が震度も大きくなるとは限りません。強震動は地震や観測点の地盤や地形などによって異なります。
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苫東厚真発電所の耐震設計 最低の「震度5相当」
 しんぶん赤旗 2018年9月18日
 震度7の胆振(いぶり)東部地震で緊急停止し、内部損傷があった北海道電力(北電)苫東厚真火力発電所の耐震基準が最低ラインの「震度5相当」であることが判明しました。北電総務部広報担当者が本紙取材に明らかにしました。
 
 苫東厚真には、1980年運転開始の1号機、85年運転開始の2号機と2002年運転開始の4号機があります。地震後、1号機はボイラー管2本が、2号機はボイラー管11本が損傷し、4号機はタービン施設で出火しました。北電は「地震の揺れで損傷した」と認めました
 
 全国の火力発電所の耐震基準は、日本電気協会の「耐震設計規程」(2000年)で「震度5以上」と定められています。あてはまるのは4号機だけで、震度5で大きく損壊しない程度の設計でした。
 北電総務部は、35年以上前に建設された1、2号機について、「旧建築基準法に準拠してメーカー設計(自主基準)している。2011年の東日本大震災後、国の委員会で、これについて『変更不要』との結論が出されている」と答えました。
 北海道全域停電(ブラックアウト)の原因解明とともに、北電と国の責任を追及するうえで注目点になりそうです。