2017年12月7日木曜日

07- ナトリウム処分方法の報告求める もんじゅ廃炉協定

 もんじゅの廃炉に関して、5日、福井敦賀市日本原子力研究開発機構との間で廃炉協定を結びました。
 プルトニウムを比較的多く含むもんじゅの使用済み燃料や冷却材のナトリウムの処理処分方法を機構が県に報告することなどに加え、5年後を予定する県外への搬出計画が決まった段階で改定を検討することなどの新しい内容が盛り込まれました。
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ナトリウム処分方法の報告求める もんじゅ廃炉協定
中日新聞 2017年12月6日
 高速増殖原型炉もんじゅ(敦賀市)の廃炉計画申請に当たり、五日に(福井)県や敦賀市が日本原子力研究開発機構と結んだ廃炉協定は、冷却材のナトリウム対策などもんじゅ特有の要素を踏まえた内容となった。県は政府との間で協議の場を新たに設け、国内初となる高速炉の廃炉での安全確保に向けて適切な対応を求めていく考えだ。

 県や敦賀市は二〇一六年、日本原子力発電敦賀原発1号機(同市)などに関しても廃炉協定を締結しているが、もんじゅは通常の原発と構造や燃料が異なる上に、冷却材に水や空気と触れると燃える液体ナトリウムを使うなど特殊な原子炉で、廃炉作業も他の原発とは異なる要素が多い。
 今回の協定には、プルトニウムを比較的多く含むもんじゅの使用済み燃料や冷却材のナトリウムの処理処分方法を機構が県に報告することなどに加え、五年後を予定する県外への搬出計画が決まった段階で改定を検討することなど従来の協定にはない内容も盛り込んだ。

 協定にはこのほか、もんじゅを中核とするエネルギー研究開発拠点化計画を今後も積極的に推進することや地元企業の発展や雇用促進なども明記。締結に合わせ、もんじゅの建設や保守運営を前提とした従来の安全協定も改定した。

 締結に先立ち、五日午前にもんじゅを所管する文部科学省の明野吉成もんじゅ廃止措置対策監が、県庁と敦賀市役所を訪問。政府の現地対策チームが月に一度の会合で検討した内容を速やかに地元へ報告するほか、ナトリウムの処理方法の決定などの節目には関係省庁の局長級職員と副知事らによる連絡協議会を開くと説明した。

 県や市は廃炉協定に基づいて機構から説明を受けて指導するほか、政府との協議会を活用して適切な対応を継続的に求めていく方針だ。 (中崎裕)

◆もんじゅ廃炉協定の主な内容
・廃炉計画の安全かつ速やかな実施、環境の保全に万全を期さなければならない
使用済み、未使用の燃料と冷却材のナトリウムは、締結から1年後に提示する処理処分の方策や技術的課題を報告。取り出しから県外搬出について詳細な工程を定める
・(県と市は)連絡協議の場での政府説明に関して(機構に)適切な対応を求めることができる。機構は工程に影響するおそれのある事象が生じたときは遅滞なく報告する
・国際的な研究開発、人材育成に努め、エネルギー研究開発拠点化計画を積極的に推進しなければならない
・地元企業の発展、地元雇用の促進に努める
・政府から燃料とナトリウムの県外搬出の計画が提示されたときは、協定書の改定を協議する