安倍政権(経産省)は、原発再稼働に必要な国の審査を全て終えてから9カ月たっても稼働しない原発について、「電源立地地域対策交付金」を、大幅に減額するよう規則を変更していたことが分かりました。
交付金の減額の幅は、新潟県分が約7・4億円、柏崎市は約1億円、刈羽村は約4億円になる見込みです。
経産省は「新潟だけを意識したわけではない」としていますが、米山知事の対応へのいやがらせであるのは明らかです。
対象の自治体はその分不自由をしますが、「金に困るから危険な原発を稼働する」という選択肢はあり得ません。
新潟日報の記事を紹介します。
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停止原発 交付金を大幅削減へ 柏崎刈羽、2020年度にも10億超減
新潟日報 2017年12月12日
経済産業省が、原発再稼働に必要な国の審査を全て終えてから9カ月たっても稼働しない原発について、立地自治体に交付する「電源立地地域対策交付金」を、大幅に減額するよう規則を改定していたことが11日、分かった。(新潟)県が独自に進める安全性の検証作業などで東京電力柏崎刈羽原発の停止期間が長引けば、県と柏崎市、刈羽村に対する交付金が、早ければ2020年度に減る可能性がある。減額規模は総額10億円を超える見通しだ。
米山隆一知事は16年10月の就任後、県の検証について「3、4年かかる」としており、柏崎刈羽原発の再稼働は見通せていない。地元関係者からは、国が交付金を盾に、早期再稼働させるために圧力をかけているとの指摘も出ている。
各自治体の試算では、県への交付金は17年度比で約7・4億円減少。柏崎市と刈羽村は、19年の算定基準を適用した場合と比べ、市が約1億円、村は約4億円減少するという。
経産省はこれまで、停止している原発でも一定程度稼働しているとみなし、交付金額を算定してきた。16年4月に規則を改定し、新規制基準の適合性審査など再稼働に必要な原子力規制委員会の全ての審査が終了後、9カ月過ぎても再稼働しない原発の立地自治体に対しては、稼働率をゼロと算定し交付金を大幅に減額すると変更していた。
柏崎刈羽原発6、7号機は、規制委の適合性審査で、18年の初めには正式な「合格」が出る見込み。これまで再稼働してきた他電力の原発は適合性審査合格から1年以内に、残りの「工事計画」「保安規定」の審査が終了しており、6、7号機も18年内に全ての審査が終わる可能性がある。
その後、9カ月以内に再稼働しなければ、早くて20年度の交付金で「稼働率0%」が適用される。
刈羽村の一般会計予算は約60億円で、その約7%の収入が減る計算となる。原発推進の広嶋一俊村議は取材に対し、「早期再稼働への同意を促す国の圧力ではないか。リミットは知事の検証結果が出る前にくる可能性が高く、国に減額措置をやめるよう求めるべきだ」と話す。
また自治体関係者からは「原発再稼働に慎重な新潟県を狙い撃ちしたのではないか」との見方も出ている。
これに対し、交付金を担当する経産省資源エネルギー庁電力基盤整備課は「稼働率を適切に反映させるための改定。全国どこでも適用されるので、新潟だけを意識したわけではない」としている。