2017年12月6日水曜日

06- 泉田前知事 原発再稼働の賛否なお不明 原発問題考える討論会で

 かつては脱原発のエースと思われていた泉田前新潟県知事(現衆院議員)が、2日開かれた新潟の新しい未来を考える会」主催原発問題を考える討論会に参加しました。

 泉田議員が目指すとしている「与党議員に原発の欠陥を共通認識として持ってもらう」点では、一緒に参加した嘉田由紀子元知事と河合弘之弁護士の賛同を得ましたが、原発再稼働の是非に議論が及ぶと、両者との「本気度の差」が表面化しました。

 会場の市民からも「泉田氏の主張は、原発の稼働を前提にしているように聞こえる」といった発言が相次いだということです。
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泉田氏 再稼働の賛否、なお不明 新潟で原発問題考える討論会
新潟日報 2017年12月5日
 原発問題を考える討論会が新潟市中央区で開かれ、先の衆院選新潟5区で初当選した自民党の泉田裕彦衆院議員が参加した。脱原発を訴える滋賀県の嘉田由紀子元知事、全国の原発運転差し止め訴訟に携わる河合弘之弁護士と意見を交わしたが、原発再稼働について泉田氏は賛否を明言せず、議論がかみ合わなかった
 脱原発社会を目指す市民団体「新潟の新しい未来を考える会」が主催。泉田氏は、知事時代に東京電力柏崎刈羽原発再稼働に慎重姿勢とみられていたが、衆院選では再稼働を目指す自民党から出馬した。

 2日夜の討論会には市民ら約250人が集まった。泉田氏は原発事故時、避難に使うバスの運転手の確保や、甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤の配布に関して国の指針が非現実的と指摘。与党議員として「問題点を理解している国会議員はほとんどいない。まず欠陥を共通認識としてもらうことが使命だ」と強調した。嘉田、河合両氏もエールを送った。
 一方で、原発再稼働の是非に議論が及ぶと、泉田氏と嘉田、河合両氏との「本気度」の差が表面化した。

 泉田氏は是非には触れず、「原発は停止させたら安全というのは幻想だ」などと持論を展開した。これに対し、河合氏は「運転中と停止中では、事故時の危険度が全く違う」と批判。「原発を稼働させて被害が出たことを前提とする議論ばかりでなく、そもそも(脱原発で)避難が不要な状況にすることこそが政治家の役割ではないか」と語気を強めた。

 会場の市民からも「泉田氏の主張は、原発の稼働を前提にしているように聞こえる」といった発言が相次いだ。与党内での原発問題の理解促進をいつまでに実行するのかとの質問には、泉田氏は「現時点で見通しは持っていない。試行錯誤だ」と述べるにとどめた。

 討論を聴いた新潟市の60代の会社役員は「泉田氏は議論のすり替えばかり。原発反対派にも推進派にもいい顔をしたいのだろう」と憤慨。一方、県内の主婦(58)は「思想の対立では解決しないという泉田氏の主張には共感した」と擁護した。