2017年12月28日木曜日

28- 審査体制を「沸騰型」にシフト 福島同型原発

 原発の形式には加圧水型と沸騰水型の2種類があり、西日本は加圧水型がメインで、東日本は沸騰水型がメインです。審査を担当するチームは5チームで、3チームが加圧水型を、2チームが沸騰水型を審査してきましたが、今後は逆に3チームが沸騰水型を、2チームが加圧水型を審査することになり、沸騰水型の審査が加速することになります。
 沸騰水型は蒸気発生器を持たない分原子炉格納容器が比較的小さく、内部の温度や圧力が上昇しやすい欠点があります。
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「沸騰型」審査シフト 福島同型原発、担当を拡充
東京新聞 2017年12月25日
 東京電力福島第一原発と同型の「沸騰水型」原発について、原子力規制委員会が再稼働審査の体制強化に乗り出したことが分かった。審査担当の全五チームのうち、三チームが割り振られた。これまで審査に正式合格した原発は全て「加圧水型」だが、新体制により、近く正式合格する見通しの東電柏崎刈羽原発(新潟県)を含め、沸騰水型の再稼働に向けた手続きが進みそうだ。

 沸騰水型は東日本に多く立地し、加圧水型は西日本に多い。沸騰水型は原子炉格納容器が比較的小さく、内部の温度や圧力が上昇しやすい欠点があり、事故リスクを懸念する声も予想される
 これまで沸騰水型の審査は二チームが担当していたが、第一原発と同型のため安全対策工事に時間を要したり、敷地の地盤が悪く、対策が必要だったりで、進まなかった。今年十月に柏崎刈羽6、7号機が事実上の合格となり、審査のモデルケースができ、電力各社の審査対応が進む可能性が出てきた。

 規制委はこうした状況も踏まえ、審査で難関とされる基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)が決まった東北電力女川2号機(沸騰水型、宮城県)については、これを中心に審査するチームが必要と判断。約二十人の加圧水型のチームを担当替えした。
 沸騰水型は三チームとなり、それぞれ柏崎刈羽、女川、日本原子力発電東海第二(茨城県)をメインに審査に当たる。

 これら以外の原発も、規制委の体制が沸騰水型に「傾斜配分」されたことで審査の加速が予想され、大手電力関係者は「一歩でも再稼働に近づければ」と話す。