2017年12月15日金曜日

15- 伊方原発運転差し止め高裁決定 続報

 NHKが、伊方原発運転差し止め高裁決定について、原告弁護士、四国電力、伊方町長などのコメントを報じています。
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伊方原発 弁護団長「言い分がほぼ完璧に認められた」
NHK NEWS WEB 2017年12月13日
愛媛県にある伊方原子力発電所3号機について、広島高等裁判所は「阿蘇山が噴火した場合の火砕流が原発に到達する可能性が小さいとは言えない」と指摘し、運転の停止を命じる仮処分の決定をしました。
この決定について、原発停止の仮処分を申し立てた住民と弁護士、それに四国電力、伊方町長と愛媛県知事の反応です。

原発停止 仮処分申し立てた住民と弁護士
広島高裁の決定について、原発停止の仮処分を申し立てた住民と弁護士が広島市内で記者会見しました。

この中で、弁護団の団長で全国で同様の裁判に関わっている河合弘之弁護士は「今回は火山の危険性が、差し止め決定を導き、この点についてはわれわれの言い分がほぼ完璧に認められた。これは、伊方原発の差し止めを求めるほかの仮処分や裁判、それにほかの原発にも当てはめることができるので、大変喜ばしい」と述べ、裁判所の決定を評価しました。

一方、差し止めを来年9月30日までと期限つきにしたことについては、「危ない原発はずっと止めてほしいので不満だ。期限をすぎても原発が安全でないという事実は変わらない」と述べ、期限をつけずに原発の停止を続けるよう、裁判所に改めて仮処分を申請する考えを示しました。

また、仮処分の申立人の一人で広島市に住む綱崎健太さん(37)は「伊方原発から100キロ離れた広島に居住する住民の生命や身体にも直接重大な被害を受ける危険性があると認められたことは本当にうれしく思うし、結果を受けてほっとしている。無差別な放射線被爆をこの広島の地から終わらせるための重大な1日となった」と述べました。

四国電力 1週間以内にも異議申し立て
広島高裁が、伊方原発3号機の運転の停止を命じる仮処分の決定をしたことを受け、四国電力の原田雅仁常務が記者会見し、「正直驚いていて今でも信じられない。長期的に考えると原発は必要だと思っているし、安全性についても、必ずや理解してもらえると思っている」と述べました。

また経営への影響については、1か月で35億円程度の収支の悪化が見込まれることを明らかにしたうえで、「大変大きな影響ではあるが、現時点で電気料金の値上げは考えていない」と説明しました。
そのうえで原田常務は、1週間以内にも異議申し立ての手続きを行う考えを示し、「今後もわれわれの考える安全性について立証していきたい」と述べました。

伊方町長「町の経済に影響が出てくる」
伊方原発がある愛媛県伊方町の高門清彦町長は「司法の判断を厳粛に受け止めたい。町としては安全が第一であり、四国電力の対応も含め、今後の推移を見守っていきたい」と述べました。
また13日の決定が町に与える影響について、「東京電力の原発事故のあと、伊方原発3号機は稼働している期間が短く、きょうの決定で運転停止が長引けば、町の経済に影響が出てくると思う」と述べました。

愛媛県知事「四国電力には対策求め続ける」
伊方原発3号機の再稼働に、おととし10月同意した愛媛県の中村知事は「司法の判断なので、特に言うことはない。愛媛県としては、原発が稼働していても停止していても、安全対策の必要性に変わりはないと思っており、四国電力には、対策を求め続けていきたい」と述べました。
そのうえで原発停止による県民生活への影響について、「四国電力は、これまでも老朽化した火力発電所をフル稼働させて電力を供給してきた。県民生活や企業活動に支障が出ないようトラブルのないよう対応してほしい」と述べました。