水晶体の被ばく量限度 “年50ミリシーベルトに引き下げが適当”
NHK NEWS WEB 2017年12月9日
放射線を大量に浴びると目が白内障になるおそれがあることから、国の専門家会合は医師や看護師などの目の水晶体の被ばく量の限度をこれまでの3分の1の年間50ミリシーベルトに引き下げることなどが適当だとする中間の報告書を取りまとめました。
原子力規制委員会によりますと、放射線を大量に浴びると目の中の水晶体が白く濁る白内障になるおそれがあるとされていて、水晶体に影響する放射線は、X線を使った手術を行う医師やCT検査に関わる看護師など、医療現場で浴びるケースが多いということです。
国内では水晶体の被ばく量の限度を年間150ミリシーベルトとしていますが、世界各国の放射線の専門家でつくる団体が6年前に出した勧告を受けて、規制委員会の専門家会合が議論をしてきました。
そして、8日の会合で勧告に沿う形で、被ばく量の限度をこれまでの3分の1の年間50ミリシーベルトに、5年間の平均で年間20ミリシーベルトに引き下げることが適当だとする中間の報告書を取りまとめました。
一方、福島第一原発の廃炉作業では医療現場と同様に被ばくするケースがあり、東京電力は来年度から自主的に水晶体の被ばく量の限度を年間50ミリシーベルトに下げることを決めています。
専門家会合では今年度中に正式に決定し、厚生労働省など関係機関に提言したいとしています。