2018年10月12日金曜日

12- 北電泊原発 規制委メンバーが敷地内断層を調査

 原子力規制委の委員ら19人が11日、北電泊原発を現地調査しました。原発の新規制基準では、重要施設の直下に活断層があると規制委が判断すれば再稼働はできません。
 北海道電は「敷地内の断層は活断層ではない」と説明していますが、十分なデータを示せていないため、今回の調査となりました。
 
追記) 停止中の泊原発は、その維持だけで年間700億円もの経費がかかっているということです。因みに伊方原発2号機の廃炉には40年を要し、総費用は396億円といわれています。泊原発の維持費は、1年でその2倍近くがかかる計算になります。ずっと停止したままであった「もんじゅ」も維持費だけで年間200億円以上がかかりました。原発は実に高額な維持費がかかるものです。
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北電泊原発の再稼働問題 規制委メンバーが敷地内断層を調査
NHK NEWS WEB 2018年10月11日
北海道電力泊原子力発電所の再稼働の前提となる審査を行っている原子力規制委員会が11日、現地を訪れ、敷地内の断層が将来、動く可能性がある活断層かどうかを調査しました。
泊原発は先月、北海道で震度7の揺れを観測する地震による停電の影響で、外部からの電源が10時間近く復旧しない状態になりましたが、被害はなく、北海道電力は、電力の安定供給のためとして早期の再稼働を目指しています。
11日は、原子力規制委員会の委員ら19人が原発の敷地の中と外にある断層周辺の地層を調査しました。
泊原発の審査では、敷地内にある断層が、12万年前から13万年前よりも新しい時期に動いていれば活断層とされるため、活動の痕跡ができた時期が焦点となっています。
委員らは、地層にある砂や石の形状や色などの特徴を確認し、断層の上にある地層は33万年前より古く、海底が隆起してできたなどとする北海道電力の主張が妥当かどうか確認していました。
泊原発の審査は、申請からすでに5年余りがたち、全国で最も長くなっています。
この間、運転は停止したままですが、毎年、維持費などで700億円前後の経費がかかっています。
調査を終えた石渡明委員は「2年前の調査のときと比べると、はるかに見通しがよくなった。今後の審査の場で議論しながら、いちばん妥当な解釈に落ち着けたい」と述べました。
規制委員会の現地調査は12日も行われます。
 
審査長期化 そのわけは…
審査が長期化しているのは、原発周辺の断層の活動性について、北海道電力が示すデータが原子力規制委員会から不十分だと指摘されているからです。
断層が将来、地震を引き起こす可能性があるとする判断基準は、12万年から13万年前よりも新しい時期に活動した痕跡があるかどうかです。
北海道電力は当初、原発の敷地を通る断層の上にある地層に20万年前の火山灰の層が残っていることを示すことで、将来、活動しないと説明しようとしていました。
ところが、去年12月、調査の結果、その火山灰の層をはっきりと見つけることができなかったと報告しました。
 
そこで、北海道電力は別の方法で説明する方針に変えました。
まず、原発の敷地の海側にある階段状の地形の地層を調べました。そして、敷地を通る断層の上にある地層と同じ成分をもつ層と比較することにしました。
その結果、ことし8月、断層が動いた年代は新しいものでも21万年前よりも古く、将来動く可能性はないなどと評価しました。
11日に行われた規制委員会の調査では、北海道電力は、この断層の活動性について33万年前よりも古く、海底が隆起してできたなどと述べ、活動性はないと説明したということです。
一方、泊原発をめぐっては、このほか、近くにある積丹半島の北西沖の海底に活断層があると仮定した場合、どの程度の地震の揺れが想定されるのか評価が求められていて、さらに、新たに建設する方針の防潮壁についても、地盤の液状化にどう対応するか検討が続き、防潮壁の建設にも相当の時間がかかる見込みです。
このため、北海道電力の目指す泊原発の再稼働の時期は見通せていないのが現状です。