福島第1原発 東電「#工場萌え」と投稿 批判受け削除
毎日新聞 2018年10月29日
2011年3月に事故を起こした東京電力福島第1原発について、東京電力ホールディングス(本社・東京都)が29日、公式ツイッターで、4号機原子炉建屋内部の写真に「#工場萌え」というハッシュタグ(投稿拡散のためのキーワード)を添えて投稿した。「工場萌え」は夜景など工場地帯のすばらしい景観への愛好を表す言葉。一方、同原発は史上最悪の事故を起こし、周辺住民は今も多数が避難生活を強いられている。ツイッター上でも批判の声が上がり、同社はタグを削除。同社福島広報部は「ハッシュタグのキーワードに対する配慮不足であり、深くおわびします」と謝罪した。
福島広報部によると、同アカウントは東京の本社広報室広報グループが運営。問題のつぶやきは午前11時51分に社員が投稿した。4号機の使用済み核燃料プールの写真に「福島第一原子力発電所4号機燃料プール Unit4 Spent Fuel Pool at Fukushima Daiichi Nuclear Power Station #工場萌え #東京電力 #東電 #tepco」と記載していた。同社の公式インスタグラムでも、同じ時刻に同内容の投稿をした。
投稿についてツイッター上では「無神経」「不適切」など批判が多く投稿された。同社はインスタグラムのコメント欄に批判があったことで問題を把握。午後2時ごろに投稿を一時取り下げた上で、「#工場萌え」という言葉を削除し、画像を再投稿した。福島広報部は、「他の設備の写真を投稿する際に付けたハッシュタグを設定してしまった」と釈明した。
2011年3月の事故発生当時、4号機は定期検査中で、北側に隣接する3号機から配管を通じて水素が流入し、同15日に水素爆発を起こした。使用済み核燃料プールで保管されていた燃料は14年12月に取り出しを終えている。
福島県によると、今年10月現在で県内外への避難者は約4万3000人。第1原発が立地する大熊、双葉両町の全域を含む6町村で今も避難指示が出されている。【曽根田和久】
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