高速実験炉「常陽」審査 申請内容見直し再提出
NHK NEWS WEB 2018年10月26日
運転再開の前提となる国の審査を受けるための申請のやり直しを求められていた茨城県にある高速実験炉「常陽」について、日本原子力研究開発機構は、設備の出力を下げて運用するなど申請の内容を見直し、26日、改めて原子力規制委員会に書類を提出しました。
高速実験炉「常陽」は、廃炉となった福井県にある「もんじゅ」に代わり、国が高速炉開発に活用するとしていて、原子力機構は去年3月、原子力規制委員会に運転再開の前提となる審査の申請をしました。
しかし、原子力機構は、原子炉の出力が14万キロワットあるのに、10万キロワットで運用すると説明したため、審査の途中で規制委員会から設備の能力と運用上の出力を合わせるよう、申請のやり直しを求められていました。
このため、原子力機構は、原子炉に入る核燃料の数を7%減らし、設備の出力を下げて運用するなど申請の内容を見直し、26日、改めて規制委員会に書類を提出しました。
出力を下げることで、住民の防災対策をとる範囲が従来の30キロ圏内から5キロ圏内に縮小され、地元自治体との調整にかかる時間も少なくできると見られています。
申請のやり直しで原子力機構は、当初、常陽の運転再開について2021年度までを目指すとしていましたが、2022年度までに延期するということです。