2018年10月31日水曜日

31- 松江市民が県外移動の訓練 島根原発災害想定

島根原発災害想定で笠岡へ避難 松江市民が県外移動の訓練
山陽新聞 2018年10月30日
 島根県は30日、中国電力島根原発(松江市)で大地震と重大事故の複合災害が起きたと想定し、松江市の住民が広島県と岡山県に避難する訓練を実施した。
 同原発は全国で唯一、県庁所在地にあり、30キロ圏の島根県の住人は約39万人。県外避難訓練は初めてで、同県原子力安全対策課は「居住者が多く、事故が起きたら県外への避難も必要。実効性を上げたい」としている。
 
 訓練は震度6強の地震で、原子炉は自動停止したが、外部電源を失うなどして放射性物質が放出されたと想定。避難速報を受けた約120人が朝、公民館などに集まった後、原発から南方に約120キロの笠岡市と約100キロの広島県神石高原町へ向け、松江市が用意した計4台のバスで出発した。
 笠岡市には約60人が正午すぎに到着。笠岡総合スポーツ公園(同市平成町)で、放射線量の検査を受けたかどうかを確認した後、避難所となっている園内の体育館に身を寄せた。
 
 体育館では避難者の名簿づくりのほか、避難所運営についての協議を行った。竹矢地区自治協会の角田一雄会長(64)は「避難所が大きな体育館で安心したが、竹矢地区は高齢者が多いので県外避難は負担が大きい」と言い、現場で避難者を出迎えた松江市の松浦正敬市長は「日ごろから避難先となる自治体と交流を深めたい」と話した。
 神石高原町では観光施設・帝釈峡スコラ高原(同町相渡)で放射線量の検査についてチェックを受けた後、避難所に指定されている同町高光の交流センター「じんせきの里」に入った。