2018年10月7日日曜日

「原発、我が事と考えて」福島事故後の街追う写真家 常陸太田で講演

 福島原発事故で住民が避難した福島県の街の風景を追い続けている写真家飛田晋秀さん(71)が6日、常陸太田市郷土資料館で講演しました。
 飛田さんは事故の翌年から被災地に入り、7000枚の写真を撮りました。
 講演では、人がいない住宅地を写していうろ「風の音だけがして背筋が寒くなった」などの体験を語りました
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「原発、我が事と考えて」 福島事故後の街追う写真家、常陸太田で講演
東京新聞 2018年10月7日
 東京電力福島第一原発事故で住民が避難した福島県の街の風景を追い続けている写真家飛田晋秀さん(71)が六日、常陸太田市郷土資料館で講演した。集まった市民ら約六十人に対し、事故後の悲惨な街の状況を紹介した。 (山下葉月)
 
 飛田さんは福島県三春町在住。事故後の二〇一二年一月から被災地に入り撮影を続けてきた。撮りためた写真は約七千枚。国内外で紹介している。
 
 講演では、自分が撮影した被災地の写真を紹介。昨春に訪れ、当時から変わらない富岡町のある中学校を紹介。荒れた校舎内を見せ「目に見えない部分は放って置かれている」と指摘した。別の写真では、人がいない住宅地を写しており「風の音だけがして背筋が寒くなった」と振り返った。
 閉会後、飛田さんは東海村に立地する日本原子力発電東海第二原発に触れ、「原発事故が起きれば街が変貌し、人が孤立する。原発が立地する茨城の人たちも原発を自分のこととして考えてほしい」と訴えた。
 
 講演会は市民グループ「脱原発・東海第二原発の再稼働を考える会」が企画。飛田さんが浪江町や南相馬市などで撮影した約百十点も十二日まで、同館で展示されている。九日は休館。