2018年10月2日火曜日

02- 福島原発集団訴訟 控訴審始まる 一審は国側敗訴 仙台高裁

 住民ら約3650人が、現行の福島原発事故賠償制度は不十分として国と東電に損害賠償などを求めた生業訴訟の控訴審第1回口頭弁論が1日、仙台高裁でありました。この訴訟は原発事故をめぐる全国約30件の集団訴訟の中で最大の原告数です
 昨年10月の福島地裁1審判決は、国と東電が津波を予見できたと認定し、原告約2900人に総額約5億円(1人当たり1万~36万円)を支払うよう命じましが、原告、被告双方がこの判決を不服として控訴していました。
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集団訴訟  原告、原発事故前「回復を」 控訴審初弁論
毎日新聞 2018年10月2日
 東京電力福島第1原発事故時に福島県や隣県に住んでいた住民ら約3650人が、現行の賠償制度は不十分として国と東電に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が1日、仙台高裁(市村弘裁判長)であった。原告、被告双方が昨年10月の1審・福島地裁判決を不服として控訴していた。 
 
 同訴訟は、原発事故をめぐる全国約30件の集団訴訟の中で最大の原告数。1審判決は、国と東電が津波を予見できたと認定。自主避難区域や福島県外の一部で賠償の上積みや範囲を拡大し、原告約2900人に総額約5億円(1人当たり1万~36万円)を支払うよう命じた。 
 
 これに対し原告側は、会津地方などの住民への賠償や、居住地の空間放射線量を事故前の水準に戻す「原状回復」と、「ふるさと喪失」慰謝料が認められなかったことを不服と主張。この日の弁論では鮮魚店主ら原告2人が意見陳述し、「県産品への風評被害に伴う苦労」などを訴えた。 
 一方、国側は書面を読み上げ、「津波を予見し、対策を取ることはできなかった」と主張、東電は「現行の賠償制度は合理的」などと反論した。 
 原発事故をめぐる集団訴訟の原告総数は1万人超。昨年3月の前橋地裁から7件連続で賠償が命じられている。【宮崎稔樹】
 
 
福島原発集団訴訟、控訴審始まる 一審は国側敗訴 仙台高裁
時事通信 2018年10月1日
 東京電力福島第1原発事故をめぐり、福島県や近隣県の住民約3650人が国と東電に居住地の放射線量低減(原状回復)と慰謝料などを求めた訴訟の控訴審が1日、仙台高裁(市村弘裁判長)で始まった。一審福島地裁判決は一部賠償を認める一方、原状回復の訴えは却下。双方が控訴していた。
 原告側は、約2900人に総額約5億円を支払うよう命じた一審判決は賠償の対象範囲と水準が不十分だと主張。国側は、原告側が主張する対策で原発事故は回避できなかったなどと訴えた。
 意見陳述では、福島県相馬市在住の中島孝原告団長(62)が、地元県産の魚の価格が回復せず、自らが営む鮮魚店の営業がままならない現状を説明。「事故の収束が進まず、消費者の不安が消えないのは当たり前。国と東電はあの事故から何も学ぼうとしていない」と批判した。また原告側は裁判長らに、事故による被害が避難指示の解除後も続いている実態を現地で検証するよう求めた。
 原発事故の避難者が国と東電を相手取った約30の集団訴訟のうち、今回の控訴審は原告数が最多。